昨今、建築業界における物件の大型化、難易度、短納期など、さまざまな声を聞きます。
CADの進化による図面の自動化や、BIM対応、CAD/CAMの連動による1次加工の効率化、高速化は向上しているものの、多くの人や機械が動く現場では、全ての進捗状況を把握することが非常に難しく、鉄骨業界全体でも未だに大きな課題を抱えている。
そこで、鉄骨専用CAD『S/F REAL4(以下、REAL4)』開発元の株式会社データロジックが、年々高まる「工場内を見える化し、現場の稼働率を上げ状況把握したい」という、BIMの一環として必要な『見える化』のニーズに応えて、“工程管理”と“進捗管理”を一括把握できる、鉄骨用生産管理システム『S/F 生産計画(以下、生産計画)』を開発しました。
同じ鉄骨造に携わる各ファブでも工場の規模、設備、製作工程などで大きく違いがある。この『生産計画』は、鉄骨工事業をメインに製作されたシステムのため、各ファブの内容に特化したシステムを構築することできます。
「いつでも・どこからでも」進捗や状況を把握しやすく、業務効率が改善。「全体の見える化」することにより、事務所に戻ることなく現場でも手軽に手元のアプリで打合せや報告も可能。鉄鋼業の業務のDX推進を支援します。
データロジック『生産計画』開発チームからのメッセージ
かねてより、弊社のメインユーザーである鉄工所様から「工場内を見える化し、稼働率を上げたい」というニーズ受け、2020年1月から本開発がスタートしました。
当初は製作の完了、未完了のみが把握できる仕組みを考えていたのですが、それだと予定に対しての乖離が把握できません。そこで、弊社メイン商品である鉄骨専用CAD『S/F REAL4』のデータを活用し、「工程表を自動で作成する機能」を組み入れることにしました。
結果として、先述した工程自動作成機能の開発に最も時間をかけることになりました。一般的には他社製品をベースとして活用することが多いのですが、膨大なデータが予定表の中に組み込まれているため、処理速度面で問題があり、1から自社開発を行うことにしました。また、工程の組み方や加工能力は各社異なることから、複数の鉄工所様に数ヶ月単位で試用をお願いし、様々なケースに対応できるよう工夫しました。
今後は導入企業様からいただいたご要望を中心に、「より使いやすく」「より多機能に」するよう、アップデートしていきます。
工程管理と進捗管理は、「いつでも・どこからでも」
これから紹介する『生産計画』の機能は、パソコンはもちろん、専用アプリを使用することで各デバイスでの利用が可能になりました。
現場でもリアルタイムに進捗を受信でき、工程管理と進捗管理が手元で行える。管理者はもちろん、現場作業者も効率よく「いつでも・どこからでも」業務を遂行できます。
クラウドを活用してリアルタイムに進捗状況を共有できるので、現場でも事務所でもスピーディーな管理が可能に。閲覧のみのゲストユーザーも設定できるので、打ち合わせ時に便利です。
『S/F 生産計画』工程計画のフロー
■REAL4工事連動 ■建て方順指定
■製品情報 / 編集 ■構成材確認 ■製品確認
■製作工程選択 ■工期指定 ■製作順指定
■ガントチャート ■山積み表 ■工程編集
■モバイル端末 ■管理者PC
■2D・3D確認 ■進捗実績一覧
では、鉄骨用生産管理システム『S/F 生産計画』の便利な機能を見てみましょう。
【機能①】鉄骨専用CAD『S/F REAL4』と完全連携
国内シェアNo.1の鉄骨専用CADである『S/F REAL4』と完全連携。
『S/F REAL4』が持つ製品形状や部材情報、溶接情報までデータ連携することにより、製品作成難易度を計算し、工程に反映。建て方順指定も可能になります。
『S/F REAL4』から詳細かつ膨大なデータの取り込みが可能。製品を構成する部品や溶接長なども細かく計算することで、鉄骨製作工程計画の正確性が担保できます。
【機能②】製品情報は、一覧と3D図面を同時に確認できる
柱・梁などの各製品の情報を表示。製品の構成材料や各材料の形状、溶接情報、工区、塗装等の情報、3Dモデルなど膨大な情報が取り込まれる。
また、製品リストをCSVファイルにて取り込む機能も実装しています。
ブラケットに何がついているか、ガセットがついているかなど、細かい部材までも連動データの3D図面で確認ができます。
【機能③】仕分け・製作工程指定
各製品を同一製作工程、同一工期ごとにグループ分けを行う(条件を指定し自動グループ分け機能も実装)。また、建て方順の設定を考慮し、製作の優先順位の設定も可能です。
製作工程を指定し製作する順番を決め、グループごとに製作開始日と完了日を指定することができます。
【機能④】工程計画は自動作成、同時にガントチャート・山積み表を表示
ワンクリックで工程計画を自動作成。ガントチャート表示と毎日の山積み表により、工場加工の負荷状況を把握できます。
各製作工程には、一品一品の製作予定日が組み込まれ、前後工程に影響を与える修正を行った場合、矛盾が発生しないように再度計算を行う。これらの機能により製作工程作成時間の短縮化、高精度化、早期段階での繁忙期の把握、受注可否のシミュレーションを実現。計算された各製品の加工予定日はクラウドへアップロードできます。
システムと連動しているので、Excelデータ単体での工程表管理に比べ、格段に手間が省けます。マクロを組んだExcelデータでも、追加工事発生時には組み直しが必要ですが、この自動作成機能があれば、その手間がありません。
【機能⑤】進捗や作業報告はリアルタイムで更新される
各製作工程の作業者には、スマートフォンやタブレット端末から専用アプリにて、当日加工予定の製品がリストで表示される。
作業が終了した際は画面でをタップ、もしくはQR作業コードやQRコード付きの加工図を、各端末のカメラ機能で製品を読む事が可能。終了報告と同時にクラウドへアップロードされ、リアルタイムに進捗状況が反映されます。
QRコードの発行や、製品の文字検索機能も実装しているので、作業者が現場でも使いやすく、作業負担の軽減に繋がります。
【機能⑥】進捗状況をわかりやすく『見える化』
終了報告があった製品は、3D・伏図・リストへ色が塗られ、誰でも視覚的に状況を把握することが可能に。
各製作工程の加工実績はクラウド上に蓄積され、過去の生産能力の平均値や中央値が算出される。そのデータを元に分析を行い、次回工事の工程作成時に反映させ、より高精度な工程表を作成することができる。
柱それぞれの加工進捗は、色分けされた円グラフで表示され、進捗状況がひと目でわかります。
加工進捗は、柱は節ごと、梁は階層ごとに色分けして表示できるので、どこから見ても進捗がわかりやすい!
【機能⑦】帳票出力(サンプル版PDF)
では、『生産計画』で実際にどのように帳票出力できるのでしょうか。
サンプル簡易版を見てみましょう。
ユーザーからのフィードバックで更なるブラッシュアップも
「システム自体、必要な機能は取り込み一旦製作完了し、ユーザーからの改善点や要望などのフィードバックをいただき、 社内から上がった意見や指摘も含めて機能を修正・追加して、更なるブラッシュアップを目指しています」と担当者が話します。
鉄骨製作工場は、半年先などの負荷状況が見えにくい部分も。この生産管理システムを使えば、過去データの蓄積から、そのブラックボックスが一目瞭然に。株式会社データロジックの『S/F 生産計画』は、ファブの現場監督や作業者にとって先々の道筋を照らし出せる、使いやすいシステムを常に目指しているとのことです。
鉄骨専用CADメーカーとしてのノウハウを活かし、鉄骨工事に必要な機能を最大限搭載していることがわかるソフトウェアです。小~中規模、大規模ファブに関わらず、今あるファブの問題を解決するために、導入をおすすめします。
『S/F 生産計画』製品情報まとめ
リアルタイムに進捗報告
手元のアプリですぐ報告・打合せにも分かりやすい「全体をみえる化」を実現、鉄鋼業の業務のDX推進を支援します。
3D図面と連動した製品情報
部品・製品・溶接情報をデータ連携。難易度を計算し工程に反映、製品を構成する部品や鉄板まで詳細に確認できます。
工程表自動作成
鉄骨工事に特化、詳細なCADデータをもとに工程表やガントチャートを自動作成、作業者の負荷軽減や段取りが楽に!
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